最新自動車販売台数ランキング | 2025年10月新エネルギー車と従来型の車 最高記録達成
毎年9-10月が販売自動車メーカーにとっての「稼ぎ時」。
この2ヶ月間で自動車メーカーから発表された新モデルは70を超えたといわれてます。
2025年10月、中国では270万台以上の自動車が販売されました(単月)
従来型の車、新エネルギー(NEV)車が現在何台ぐらい売れたのでしょうか。
中国最新自動車販売ランキングと、中国自動車業界の最新情報をお伝えします。
2025年10月最新中国自動車販売台数ランキング
自動車販売ランキングは、毎月発表されています。販売台数は前年比・前月比ともに伸びており、多くの新エネルギー自動車専業メーカーが販売量を増やし、単月販売台数最高を更新していますが、10月は、上汽集団(SAIC Moter)が比亜迪(BYD)を抑えてトップになりました。
各社正式統計発表が出揃っていなかったり、おおよその数字での発表になっているケースもあるので、本ランキングは参考としてくださいね。

販売台数が伸び悩んだメーカー | 広汽埃安と理想汽車
9、10月の「稼ぎ時」に販売台数の伸び悩みが目立ったのは広汽埃安(27,014台)と理想汽車(31,767台)。
広汽埃安は、広汽集団(広汽グループ)100%出資の新エネルギー車専門ブランド。自動車販売台数10位にランクインしている广汽豊田は同じ広汽集グループと言えるものの、トヨタとの共同出資会社。一部車両で共同技術開発等をしていますが、広汽グループ独自部品・生産ラインで製造されています。
広汽埃安の「AION S」「AION Y」は、配車アプリを使ったタクシーに利用されていることが多く、一般消費者のイメージは「タクシー」。また、SNS等での一般ユーザーの声(含む・タクシー利用者)も好ましいものとはいい難く、売り上げ好調の比亜迪(BYD)の同クラスのモデルと比べてコストパフォーマンスが悪い印象です。
理想汽車は、中国の新興新エネルギー自動車メーカーの中でも先駆けて2023年に黒字化を達成しています。広い車内がファミリーユーザーに人気の高級SUVに強いのが特徴です。
しかし、バッテリーのみを使う大型新エネルギー車両(BEV)の販売が振るわず、口コミも両極端な意見が見られます。10月23日に上海で起こった発火問題のために1万台以上のリコールが発生、消費者の混乱を招き、失速しています。自社開発部品が全車両の20%程度と言われており、競合車種をもつ小鹏汽車(XPENG)や零跑汽車(Leapmoter)などと比べると、コスト・技術などの面で優位性が打ち出しにくいのかもしれません。

2025年10月中国市場の注目 鴻蒙智行
今月の注目は鴻蒙智行(HIMA)。単月販売台数記録を更新(2025年10月:68,216台)したと同時に、通算100万台を突破しました。
問界(AITO)、智界(LUXEED)、享界(STELATO)、尊界(MAEXTRO)、尚界(SUNJET)という5つのブランドで、15万元~100万元以上の幅広い価格帯をラインナップしています。中国自動車業界の稼ぎ時・秋の行楽シーズンのキャンペーン活動も好評でした。
注目されたのは、10月の1台あたりの平均販売価格が39万元であった点です。
新エネルギー車販売台数ランキングトップ不動の比亜迪(BYD)は、低・中価格帯、勢いのある零跑汽車(Leapmoter)も低・中価格帯の比較的小型な車が売れ筋の中、鴻蒙智行(HIMA)は中国で“BBA”と言われるベンツ・BMW・Audiを超える平均販売価格をたたき出し、差別化が際立ったためです。
鴻蒙智行(HIMA)の5つの車種は、車種ごとに協力しているメーカーが違います。
例えば、問界(AITO)は新エネルギー自動車販売台数ランキング9位の赛力斯(SERES)、智界(LUXEED)は自動車販売台数ランキング4位の奇瑞集団(Chery)などです。鴻蒙智行(HIMA)という自動車メーカーがあるのではなく、ファーウェイの子会社が車載ハーモニーOS、自動運転システムや電動パワートレインなど、一部部品や技術開発力を提供しているのみで、実際の自動車製造は各協力メーカーに委ねられています(ファーウェイ・スマート・セレクション方式)ファーウェイが運営しているインテリジェントカーに関する技術プラットフォーム会社という位置づけになっており、伝統的な「自動車メーカー」とは少し違っています。
2025年4月の上海モーターショーでトヨタが中国市場向けとして発表した新エネルギー自動車「bz7」も、ファーウェイの車載ハーモニーOSを採用していると言われており、おそらくこの技術プラットフォームのファーウェイインサイド(HI)と呼ばれる協力方式をとっていると思われます。
前月までのランキングには鴻蒙智行(HIMA)を含めていなかったのですが、自動車業界の新しいビジネスモデルとして今後注目していきたいと思っています。

まとめ
2025年10月最新中国自動車販売台数ランキングと、10月中国自動車販売の注目点をお伝えしました。
* 2025年9月に続き、多くの自動車メーカーが単月最高販売数を更新
* 全体的に販売台数増加中、伸び悩んだメーカーは差別化が急務
* 今後、伝統的な自動車メーカーと違う、鴻蒙智行(HIMA)に注目
本記事では、販売数を中心として毎月10日前後にまとめてお伝えしています。
ランキングに加えて、中国国内での自動車業界の最新ニュースや取り組みなども一緒にお伝えできればと思っております。
最後まで読んでいただきありがとうございました。この記事を通じて何かしらのヒントや情報を得てくださり、少しでもお役に立てたなら幸いです。

