2025年9月最新中国自動車販売台数数ランキング
中国車市場において、毎年9月10月は販売の繁忙期で、自動車メーカーにとっては1年で一番の「稼ぎ時」。
各自動車メーカーの新車発表も多い時期でもあり、プロモーション活動が活発化します。ディーラーは毎年この時期に様々なキャンペーンを行っています。
2025年9月、中国では240万台以上の自動車が販売されました(単月)
従来型の車、新エネルギー(NEV)車が現在何台ぐらい売れたのでしょうか。
中国最新自動車販売ランキングと、中国自動車業界の最新情報をお伝えします。
2025年9月最新中国自動車販売ランキング
自動車販売ランキングは、毎月発表されています。
数字を見ると、全体の売り上げとしては前年比・前月比ともに伸びており、多くの新エネルギー自動車専業メーカーが少しずつ販売量を増やし、単月販売量最高を更新していますが、まだまだ従来型の自動車も売れており、消費者ニーズの多様化が進んでいます。
10月1日から、中国は大型連休・国慶節のため、各社正式統計発表が出揃っていなかったり、おおよその数字での発表になっているケースもあるので、本ランキングは参考としてくださいね。

※特斯拉(Tesla)や小米(XiaoMi)など、各社「71000台以上」「40000台を突破」という発表を含んでいます。
※販売台数はメーカー発表(予測)など、不確定要素を含んでいます。
中国自動車販売の繁忙期「車市金九銀十」
「車市金九銀十」とは、“車市場の金の9月と銀の10月”、つまり9月と10月は年間を通じて1番車が売れる中国車市場の繁忙期=かき入れ時であるという意味です。
9月に新学期・入学の時期を迎える中国では、新生活の始まりや秋の収穫時期、ブライダルシーズンや10月初めの大型連休(国慶節)などから、購買意欲の高まりが期待されるため、各自動車メーカーの新車発表やディーラーのキャンペーン発表が相次ぎます。この時期が中国においては、車という大きな買い物のベストシーズンと言えるでしょう。
大型ショッピングセンターの1階で車を販売をしているメーカーも多く、特に9月10月のかき入れ時に合わせて展示されている車の前で足を止めるショッピング客もたくさんいます。
10月の販売数はさらに期待? 「下沈市場」が牽引する新エネルギー自動車販売
「車市金九銀十」の自動車販売繁忙期に合わせて、自動車販売を後押しする取り組みも活発化しています。9月だけで最低でも70もの新車発表が行われており、各社最新ラインナップ万全の体制でこの時期を迎えています。

※各メーカーの販売数公表データは、傘下のブランド別に数字を明確に出すこともあれば、「〇〇台を超えました」のような発表の場合もあり、ランキング発表するメディア等各社多少違いがあるため、あくまでも参考に!
政策の後押し
2025年は新エネルギー自動車の車両購入税通常10%の全額免除最後の年。2026年からは通常の半分(5%)が適用となるため、各メーカーが改めてPRすることで購入を後押ししています。
9月に、個人消費貸款財政貼息政策実施方案というローン優遇策も発表されており、初めて自動車ローンを組む場合に金利優遇措置が適用されたり、別枠で各自治体が購入補助政策も発表しています。
※減税やその他優遇措置は、地域によってかなり差があります。
「下沈市場」の掘り起こし
「下沈市場」とは、三線都市以下の鎮や農村地区などの新しい消費市場のことです。全人口の6割以上を占めると言われている三線都市以下の消費力を活性化するために、サプライチェーンや物流の構築が急がれていることを背景に、新エネルギー自動車も新しい市場の拡大に向けた取り組みをしています。
※三線都市等、「〇〇線都市」の詳細はこちらをご参考ください。
自動車メーカー各社は、特に今年に入ってから三線都市以下での3体制(販売・日常利用・メンテナンス)の強化を図っており、地元の有力な自動車修理工場などとの協力や移動式の修理サービスの導入、大都市と地方の「情報格差」を払拭するために、ビックデータをフル活用して売れ筋などを分析し実地販売を積極的に展開するなど、小規模都市でも大都市と同じサービスが受けられる体制を急ピッチで進めています。
特に電池(充電)・モーター・電気系統のサービスが整備されることは、地方での新エネルギー自動車のユーザー体験を向上させるだけでなく、大型連休を迎えたこの時期の旅行客へのサービスにもつながっています。
また、これらの取り組みは農村特有の小型トラックや物流商業車の新エネルギー化にもつながっています。
三線都市以下の新エネルギー自動車需要に柔軟に対応できるよう、特に零跑汽车(Leapmotor)や小米汽車(Xiaomi)は生産工場のスマート化や自動化を積極的に進め、自社研究開発の強みを生かしてコスト優位性や製造スピードを高めるなどして、短期間で販売量を伸ばしています。

まとめ
2025年9月最新中国自動車販売ランキングと、1年の繁忙期に入った自動車販売の今をお伝えしました。
* 自動車販売の繁忙期に入り、多くの自動車メーカーが単月最高販売数を更新
* 自動車販売の繁忙期に合わせたプロモーションと政策の後押しで消費を刺激
* 三線都市(地方・農村)の需要掘り起こしが今後の販売数を左右する可能性
本記事では、販売数を中心にお伝えしていますが、メーカーによっては単月販売数は過去最高を更新しているものの売上が下がっていたり、新エネルギー自動車ユーザーのSNSでの声、自動運転中の事故発生など、数字では見えてこない面も多々あります。修理や電池回収・リサイクル問題など、新しい技術の製品だからこそもっと活発に議論されるべき課題もあります。
本ブログでは、毎月発表されているランキングに加えて、中国国内での取り組み事例なども一緒にお伝えできればと思っておりますので、ご支援いただけたら幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。この記事を通じて何かしらのヒントや情報を得てくださり、少しでもお役に立てたなら幸いです。