2025年8月最新中国自動車販売台数数ランキング
新エネルギー(NEV)車が売れている = 従来型の車はもう売れない
だと思っていませんか?
2025年8月、単月で約200万台の自動車が販売されました。
従来型の車、新エネルギー(NEV)車が現在何台ぐらい売れていて、売れている新エネルギー(NEV)車の中で、中国で注目のメーカーはどこ?
100年に一度といわれる自動車産業の変革期に、日本の中小企業が中国自動車産業をキャッチアップする基本である、最新自動車販売ランキングと、注目されている自動車メーカーの特徴から、中小企業のビジネスに役立つヒントをお伝えします。
2025年8月最新中国自動車販売台数数ランキング
中国自動車販売台数ランキングは、毎月発表されています。数字を見ると、前年比・前月比ともに伸びているのがわかります。

※図中の☆印は新エネルギー車専門メーカー
※奇瑞集团(Chery)は、販売数の約半数(約13万台)を輸出車として販売
※販売台数はメーカー発表(予測)を含んでいます
中国の自動車産業とZ世代主導の消費
100年に一度の変革期を迎えていると言われる世界の自動車産業。
中国で自動車産業は、「経済安定の要(かなめ)」「工業の中の工業」と呼ばれており、そのサプライチェーンは鉄鋼、電子、化学など50分野以上にもおよび、直接5000万人以上の雇用を生み出しています。
長江デルタ地域(上海市、江蘇省、浙江省、安徽省の一部を含む地域)だけでも10万社以上の自動車関連部品製造会社があり、2024年には自動車小売り販売額が中国社会全体の小売総額の約11%を占め、内需拡大に大きな影響力を持った産業であるため、その販売動向が注目されるのです。
現在の中国において、主な自動車購入者はZ世代で約58%を占めています。
長年ベンツやBMW、日本の自動車メーカーの車を持つことが「ステータス」であり「安全」で「燃費が良い」、移動の「道具」だったZ世代の親たちの時代とは違い、シェアリングモビリティやスマートコックピットなどの、新たなビジネス形態や新たな価値を求めている若者にとって、最新技術を体験できる「テクノロジー製品」へと進化しています。
注目されている新エネルギー(NEV)車メーカー
小米汽車(Xiaomi)
自動車購入者から今年注目されているのは、小米汽車(Xiaomi)。
携帯電話・小型家電などのガジェットや、統一された高いデザイン性を通じてブランドを育てた後、自動車事業へ参入。
自動車が特殊なものではなく、身近で生活をより便利に楽しくしてくれる、「自動車のガジェット化」を牽引しています。
街中で確実に目にする機会が増えており、その注目度ゆえ不具合やメーカー側の対応なども逐一大きく報道されています。
蔚来汽車(NIO)
ファンの囲い込みという視点では、蔚来汽車(NIO)も安定した人気を誇っています。
バッテリーを充電するのではなく、交換するという「バッテリー交換ステーション」サービスが好評で、いかに早く確実にサービスを提供するか、革新を続けています。
現在はわずか2分半ほどでバッテリー交換が完了してしまうほどで、ガソリンスタンドで給油するのと同じ感覚のサービスで他の企業とは違った価値を提供しています。
バッテリー交換ステーションは既にすべての一線都市・新一線都市をカバーしており、2025年6月現在3350以上の交換ステーションと25000以上の充電ステーションを全国展開しています。
零跑汽車(Leapmotor)
今年販売数を伸ばしているのは、2015年設立の零跑汽車(Leapmotor)。
安全技術防犯システムなど研究や応用の見識者によって設立されたメーカーで、インテリジェントカー(自動運転機能や安全運転機能、各種情報交換システムなどを備えた次世代の自動車)の開発に特化しています。
2023年にはオランダに本社のある自動車メーカーStellantis社と提携、より高度で安全・安定した「コスパの高い」自動車を提供するメーカーとして注目を集めています。
実際、低~中価格帯(6~20万元:約120~400万円)の販売が好調です。この提携を受けて、欧州向けサービスにも力を入れています。

まとめと中小企業向けビジネスのヒント
2025年8月最新中国自動車販売ランキングをお伝えしました。
* 総合ランキングでも、新エネルギー自動車専門メーカーが3社を占める
* 自動車産業は経済安定の要。新領域ビジネスが急速に発展し、100年に一度の変革期
* 購入者はZ世代がメイン。新感覚の「テクノロジー製品」として新エネルギー車が人気
* 注目の新エネルギー自動車企業;小米汽車(Xiaomi)、蔚来汽車(NIO)、零跑汽車(Leapmotor)
中国は広く、地域によって全く違う自動車が売れているのも現状です。全国平均では50%に迫る新エネルギー自動車も、実は遼寧省大連市ではわずか10%にとどまっています。同じ北部の大都市・北京は2025年6月単月の販売数の約60%となっています。
1カ月で約200万台の自動車販売数の約半分を占める新エネルギー自動車。
自動車関連産業でも、地域や自社の商品・サービスによって目指す市場は全く違います。数字で全体動向をとらえ、自社の特徴や目標を明確化した上で、世界最大の新エネルギー自動車業界にキャッチアップしていく必要があります。
日本の中小企業向けビジネスのヒント
* 中国の軽量化新材料企業と提携し、新材料の特徴を生かした成形技術と成形機をセット販売
* コンパクト車内空間の有効活用や「収納」方法やトランク内の共通パーツを開発し、中国市場参入
*「背中が熱い」、「まぶしい」などの問題を解決し、ドライブをより快適にするシート素材やガラス、フィルム加工技術など、「技術 + ソリューション」を、中国の業界関係者に届くツールで
* 日本で販売を開始したBYDや、日本進出意向のあるメーカーのメンテナンス
最後まで読んでいただきありがとうございました。この記事から何かしらのヒントや情報を得てくださり、少しでもお役に立てたなら幸いです。
本ブログでは、中国情報をアップデートし、中国の事例から日本の中小企業が学べる未来のヒントを発信しています。
引き続き中国の自動車産業の情報もお届けしてまいりますので、ご支援いただけたら幸いです。
コメント
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[…] と、「目標」が達成されていることがわかります。 例えば、新エネルギー自動車。 2025年8月の新車販売数を見ると、新エネルギー自動車が全体の4割を占めています。 新エネルギー自動車 […]